落ちたものはしょうがない

村瀬歩さんに担降りしたオタクの雑記

『歌舞伎町シャーロック』第1クールを観た

 

結論から言うと2周しました。

 

・伏線の確認のため

・演出の細部を拾うため

・好きなポイントをさらに好きになるため

 

そして・・・

 

・パイプのcv.を確認するため

 

です。

何でパイプのcv.が気になったかと言うと、12話を観たときに「・・・これもしや村瀬さんなのでは???兼ね役だったのでは???」と思ったからです。*1思いこみは人生を棒に振りかねない危険な行為なので、パイプのcv.がクレジットされた回を確認するために上記のような理由を後付けして、もう一周したわけです。狂っててごめんね!あ、パイプのcv.はサブロー役の麦穂あんなさんが担当されていました(すみません・・・)

もう一周しても面白かったです、歌舞伎町シャーロック。

なんでリアルタイムで観てなかったんだろうわたしは!?と思いました。何気なく検索に引っかかったアマゾンの作品紹介にも、「PSYCHO-PASS視聴者の女性がターゲット層」って書いてありました。わーい、ターゲティングされてる~~~!アニメーション制作がPSYCHO-PASSと同じI.Gさんゆえの企画趣旨かな?とは思うものの、とても嬉しいことですね。確実に金を落とすと目論まれて製作費をかけ企画してくれているわけですから、喜んでホイホイ食いついてしまいます。同じ阿保なら踊らにゃ損々。踊ってから考えりゃいいんだよ!!狂おうぜ!!

実際、よくマーケティングされているなあ・・・と感動しました。

ホームズとワトソン・ミステリ・コメディ・バディもの・落語・相撲・ヅカっぽいルックスの姉とルックスだけはガーリーな妹のコンビ・美少年・謎の美女(cv.坂本真綾)・ドラァグクイーン(cv.諏訪部順一)・枯れオジ・○93・ちびっこギャング・・・と、この中でどれか一つは響くでしょ?と言わんばかりの要素てんこ盛り。大盤振る舞いです。わたし自身の体感としても、ターゲット層の好みと重なっていると思いました。

ともすれば一つ一つの要素だけでもアニメを作れてしまうものをこれだけ詰め込んでも破綻しなかったのは、ひとえに制作の皆さんの手腕だと思います。素晴らしい遊び心とサービス精神、作品クオリティでした。仕込まれた小ネタの数々は3周目も余裕で楽しめるレベルです。

しかも、OPがEGO-WRAPPIN'でEDのプロデュースが亀田誠治さんなんですよ。天才だ~~~!!新宿感ある~~~!!*2好きになっちゃうじゃん~~~!!

あ~~~また好きな作品に出会ってしまったな~~~!!

ありがとう、村瀬さん。担降りして良かったです・・・おかげで好きな作品が増えました・・・。

 

 

 

※※※以下、ネタバレ※※※

 

 

 

いや、マキ。マキですよ。

1クール目のクライマックスに推しの怪演が堪能できるって、一体誰に何を感謝すれば良いのでしょう???神???しかもアニメイトタイムスのインタビュー*3を確認したら、別の役*4でオーディションに来ていた村瀬さんをマキに指名されたそうで・・・

は~~~ありがとうございました。良い薬です。

マキ/ジャックは恐らく、悪役としてターゲット視聴層の女性が嫌悪しやすい対象として作られたキャラクターなんでしょう。でも正直に言うと、私自身はマキのことを本質的に憎める女性性はいないのではないだろうか?と感じます。*5「完璧になりたい」という欲望って誰しも秘めているとは思いますが、外見へのプレッシャーを受け続けると、よりその欲望が先鋭化されていきますし・・・

私がマキ/ジャックに対して抱いたのは、生理的な嫌悪感よりも「同族嫌悪」に近かったですね。不完全な自分自身を補完するために他者を攻撃するわけにはいかない、そういう倫理的なタガを外してしまった彼/彼女への嫉妬と羨望、嫌悪、恐れの感情が残りました。

マキがいつからジャックだったのかは、第1クールを視聴した段階では分かりません。先に「マキ」がいたのか、それとも「ジャック」が先だったのかも。

でも、「切り取った子宮を食べていた」という言動や、両性具有である天使というモチーフへの執着、少女的な女装を好んでいた・・・ということを考えると、彼/彼女の中で「マキ」の存在のほうが先にいたのかもしれないなあ、と思いました。

これはジャックの人間性を肯定するものではないんですけれど、私自身は嫌悪しきれないところがあるんです。*6

他人の性器を切り取っておきながら、彼自身はパイプカットできないでいたという中途半端なところは、人間くささと弱さが共存していました。「犯罪者」だけど「悪役」にはなりきれない哀れなキャラクター、それが第1クールのラスボス・穂刈マキこと切り裂きジャックだったんじゃないかなあと・・・

だからこそ、モリアーティの危うさが高まった状態で第2クールへ突入したのが不安でもあります。

正気で狂える人間は悪役になれてしまうんだよモリアーティ!!!と机に突っ伏してしまった11話・・・(いやあのタイミングでED『百億光年』フェードインしてくるの完璧では???)

またマキの話に戻りますと、今回の村瀬さんの演技はギアの入れ方が好きだったな~と思いました。シフトレバーみたいなテンションの調整が、すごく良かったです。「マキ」と「ジャック」と「足利満昭*7」のペルソナを使い分けていた人物像に対する説得力が増していました。

個人的には、7話でアイリーンの首筋にナイフを当てながら囁いていたトーンが一番好きでしたね。これは私が『DEVILMAN crybaby』で村瀬担になった人間だというのも多分に影響しているんですけど・・・あの情が感じられない無色透明トーンですよ・・・*8

醜い穂刈マキを醜く演じられた、きちんと感に信頼しかなかったです。あと悪役って演じるのちょっと楽しいですよね?そんな楽しさも声に乗っていて狂気マシマシでした。本当に良かったなあ・・・

 

さあ、第2クールを観なければ!

 

*1:実際はJKのガヤとかをされていました。いや、バー「パイプキャット」の猫・パイプの声をパイプカットしてないマキちゃんのcv.担当である村瀬さんがやってたら面白いなと思って・・・

*2:単純

*3:東山奈央さんと東内マリ子さんの回

*4:モリアーティかな?

*5:もちろん個人の見解です

*6:声を担当している村瀬さんのファンというのも影響しているとは思いますが・・・こういうところで、自分の人間くささもまた実感するんですよねえ

*7:この名前は足利義満から取ったんでしょうか?モリアーティは世阿弥・・・?(錯乱)

*8:よくよく考えてみれば、『DEVILMAN crybaby』で両性具有のサタンを演じた村瀬さんが『歌舞伎町シャーロック』では天使に執着する穂刈マキを演じたというのは皮肉のようでもあり、必然的な配役でもあったわけですね